「金曜のバカ」は5篇が詰まった短篇集。はっきり言おう。全部面白い。全部、青春小説、というより、思春期小説か。
それぞれの短編に、アイデアが有り、主人公や登場人物の思いがあり。
タイトルにもなっている「金曜のバカ」。なんでこんな話が作れるんだろう。魅力的な主人公。彼女が実在の人物なら、僕は彼女に恋をしたでしょう。
「星とミルクティー」。最高。ああ、そういうことか。という読後感。ある種、越谷オサムらしいけど。この話を何度思い出しても、気持ちがホッとする感じ。
「この町」。切ない。わかる。そういう時って、ちょっとだけ僕にもあった。きっとこれから大丈夫。
「僕の愉しみ、彼女のたしなみ」。好き。大好き。特に登場する少女が好き。彼女が実在の人物なら、僕は彼女に恋したでしょう。あれ?これで2人の少女に恋する事になるなあ。
「ゴンとナナ」。なるほど、へえ、うわあ、そういうことですか。そんな感じなんですか。生物ですね……女子も、男子も。この短編も、ある種、越谷オサムらしい話。
ネタバレしない程度に、5篇それぞれの解説を書こうと思ったら、単なる感想になってしまいました。まあ、越谷オサムの多くの作品は、ネタがバレた瞬間に、面白さが十分の一くらになりますからね。
この短篇集、いろんな薫りのそよ風が吹いてくる感じです。全編読み終わった時の気持ちで一番近い言葉は……、ああ、気持ちいい……! ですかね。