切なくなりますよ。それは最初に言っておきましょう。
タイムトラベルものは、どうしても、切なくなる。これはしかたないのですが、本作「マイナス・ゼロ」も、やはり切なくなるのです。
石田衣良が「僕が日本で一番好きなタイムマシンもの」とコメントしたのもうなずけます。
第2次世界大戦の東京。空襲を受けた夜の話。
少年は、隣人と不思議な約束をするのです。
18年後の今日、ここに来て欲しい。
そして少年は、18年後、……。
はい、ここからは読んでのお楽しみです。
私は本作で感銘したのは、もちろんストーリー。話の展開なのですが、
それと、もう一つ。
昭和の東京の描写です。それも、戦争前の。
やはり、日本は、経済の成長と引き換えに、何かを失ってしまったのも、事実なんだなあ、と感じました。
「マイナス・ゼロ」。日本のSFの原点とも評される本作は、読む価値あり。もちろん、今、読んでも、単なるノスタルジーではなく、フレッシュな感銘を受けることでしょう。
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