私は、絶対的に面白いエンターテインメント小説・冒険小説を1冊紹介してくれ、と言われたら……。
迷いながらも『虎口からの脱出』を選ぶこともある、と思うのです。
いや、歯切れ悪い書き方ですが、この他にも面白い小説はそりゃやはりたくさんあるので……。
そんなたくさんあるエンターテインメント小説・冒険小説の中でも、かなり上位、コンディションによっては1位になるほど面白い、それが景山民夫の代表作『虎口からの脱出』なのです。
Contents
私はすでに5回読みました
「虎口からの脱出」。私は既に5回ほど読みました。間違いなく景山民夫の最高傑作。日本のエンターテインメント小説の中でトップクラスの面白さだと思います。景山民夫さんには、面白い本がたくさんあります。いや、全部面白いと思うのですが、その中でもめっちゃ面白い。
小説の舞台は1928年の中国大陸。そこには英米列強、ソ連、日本……それぞれの謀略と策略と政治が渦巻いているのです。
張作霖爆破事件。誰がこの爆破を仕掛けたのか?しかしこの爆破工作を目撃した少女がいた。
少女を追いかける関東軍、奉天軍、そして国民党軍。
奉天から上海まで、1600キロの脱出劇が始まった。
読み終わるのが、もったいない
プロットに抜かりは無い。さらに幾重にも仕掛けられた伏線や驚きの展開が、私に一切の退屈を許さない。息をつかせぬ面白さとは、こういうことか。
本書を読みながら、「さあ、クライマックス!」と気合を入れても、まだまだつづく冒険活劇。何度も何度もやってくるピークに、もう、読み終わった後は、面白さそのものに放心状態でした。
また、「書かれていない伏線」が効いていて、ストーリーをさらにドラマティックに仕上げています。
最初、世界観に入っていくのに苦労する方もいらっしゃるみたいですが、騙されたと思って、50ページ位まで読み進めると、もう、止まらなくなるはずです。
私も、6回目、読みますよ。
まだ読んでいない方は、ぜひ、1回目の読み始めを。
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虎口からの脱出 (新潮文庫)