面白い。ただその一言。
時代劇に興味のない人も、これは読んで絶対に面白いです。
火付盗賊改の長官・長谷川平蔵が主人公。斬り捨て御免の権限、まあ殺しのライセンスのようなものを持つ長谷川平蔵は、盗賊たちから、鬼の平蔵、と恐れれたているという。だから、鬼平。
作者の池波正太郎氏の人に対する認識として、人は良いことをしながら、悪いことをする、ということ。そのような思いで紡がれているこの物語から、得るものは多いと思います。
もちろん、話の展開も、一気に深みにハマる。盗賊たちの企み、ひょんなことから、それを平蔵が知ることに成る。
平蔵が使う密偵や、岡っ引き、また同心などの、有機的な働きも、知的に興味深い。
短編を基本とする一話完結シリーズなのですが(たまに長編があり、これがまた面白い!)、その短編にある事件が、平行して進んでいくところも興味深い。
現代社会と照らしあわせて、理想の上司、とも評される長谷川平蔵ですが、いやいや、あんなかっこいい男は、今の時代、見たことが無いですよ。
ご存じの方も多いかと思いますが、物語の中に出てくる料理もまた、美味そうなのです。
結構、お酒を飲んでるシーンも多いんですよね。
いずれにせよ、面白い。
一言で、このシリーズを評価するには、面白い、が最もふさわしいように思えます。
鬼平犯科帳 池波正太郎 | |
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鬼平犯科帳シリーズ 池波正太郎 文春文庫 |
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