怖すぎる……。気持ち悪い……。吐き気がする……、それでも、読むのをやめられない……。
つまり、面白いのだ。
ユリゴコロ 沼田まほかる 双葉文庫 | |
---|---|
ユリゴコロ 沼田まほかる 双葉文庫 これは、ホラーですよ、と思っていたら……気持ち悪いし怖いけど……。 |
|
母が入れ替わったのではないか、という子供の頃の記憶。
その母の遺髪と思しきものの発見。恐ろしい手記。婚約者の突然の失踪……。
これ以上書くと、ネタバレになるので、面白く感じていただける程度の、プロット的な物を並べてみました。
「ユリゴコロ」というタイトル。
いかにも乙女チックで可愛い語感ですが……、
いや、とんでも無い恐ろしい話なのですが、
それでも、謎解きの要素が強く、人を愛するとは、ということにも深く関わり、
気持ち悪い不快な、精神をおかしくさせてしまうのではないかとも感じられる不協和音が流れているような感じ。それでも、その不協和音に耳をふさぐことはできず、なぜだか聴き入ってしまう。
すると、不協和音の向こうから、少しだけ美しい鈴の音が聞こえてきて……、最後は、悲しさと、絶望を含んだフィナーレがやってくる。
そんな感じでしょうか。
そうとう気持ち悪いですが、なぜだか、読んだあとは、清々しくなる。
最初、あれほど嫌な言葉として捉えていた「ユリゴコロ」の印象が、最後にはなんとなく変わっていました。
ランキングにひと押し、お願いいたします。
⇓
にほんブログ村