【今日の一言】
高校生の頃の夏休みのような、リフレッシュ感があります
瀬戸内海のある島を舞台にした、4人の高校生を中心にした物語。
物語の中に、いろんな要素が詰まっています。
高校生たちの瑞々しい感性をベースに描かれる彼らの成長。今流行りの、地域活性。それに纏わるプロデューサーや行政、住人、Iターンの人たちとの関係性……。
これらの話が、当然ですがバラバラにならずに美しいハーモニーを奏でながら物語が展開していきます。
私は、島はぼくらと、を読み進めながら、気づいたら、この島に住んでいるような気持ちになりました。高校生と一緒に成長している感じ。
面白く、ドキドキ、ワクワク、キュンキュンしたり、なるほど、と思ったり、大人は汚い、と感じたり。またラストがいいんですよね、私は好きです、このラスト。希望が見えました。こういうことだよ、思いました。
ナラティブまで踏み込んだエピソード
いろんなエピソードが上手に物語に組み込まれているのですが、その中で私が最も感心して、なるほどと思い、さらにドキッとしたのは、ナラティブ的なこと。
ナラティブというのは、物語性とでも言えばいいでしょうか。
ある有名な女性がこの島に移住する決心をするのですが、その決心の引き金になったエピソードが凄いのです。
他人の死をも、自分の中の物語に取り込み悦に入る人間の業。
人が生きていくには物語が必要と言うのはわかるのですが、ここで登場するエピソードはあまりにも残酷というか、身勝手というか。
そりゃ、この、女性は移住したくなるわなぁ、と得心がいくわけです。
そんな読みどころ満載の「島はぼくらと」。
島でいろいろなことが起こりますが、爽やかな読後感であることは、間違いありません。
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