情熱と、エロスと、冷徹と、絶望と、歓喜に満ち溢れた7日間。何と贅沢な小説。
7日間とは、アンリ・ルソーをめぐる戦いの7日間なのですが……。
その7日間に、官能と理性と知性の全てが凝縮されている
「楽園のカンヴァス」で描かれる7日間は、読者にとって至福のとき。
アンリ・ルソーの大作に似た絵画をめぐる、その7日間。終わらないでくれ、と思いながら、それでもページをめくる手は早まってしまう。
小説の読み手にとって最高の感情を引き起こしてくれるのです。
え? まだ「楽園のカンヴァス」を読んでいない?
それはいけません。でも、羨ましい。これから、あの素晴らしいストーリーを、未知という状態で読めるのですからね。
原田マハの超得意分野
主人公は、いったい、誰なんだろう?
主人公候補の1人=早川織江。彼女は、今こそは、倉敷の大原美術館で監視員を務めているが、かつてはアンリ・ルソーの若き研究者。
ティム・ブラウンも、同じくルソーの研究者。MoMAに勤務するアシスタントキュレーター。
この2人が、運命に従って、スイスのバーゼルで、アンリ・ルソーの「夢」に酷似した絵画をめぐり、7日間の戦いに挑むことになる。
そのストーリーをベースにしながら、もう一つのストーリーがこの小説の中で展開する。
それは、アンリ・ルソーと、パブロ・ピカソ、そして、「夢」に登場する女性をめぐる物語……いや、実は……。
これ以上書くと、ネタバレ。なので、解説はここで止めておきます。
作者の原田マハは、国内の多くの美術館に勤務し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に勤めたあと、フリーのキュレーターとなっている。つまり、美術が得意分野なのです。その得意分野を存分に活かし、こんな素敵な小説を書き上げてくれるなんて……。
あ、私は、絵画のことは全くわからないのですが、そんなこと関係ありません。最高に面白い。そして、絵画が好きになってしまいました。
「楽園のカンヴァス」 絶対、オススメです。
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