月と蟹 道尾秀介 | |
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直木賞受賞作です。が、私は、読後感に、直木賞受賞作だあな、といったものはなかったです。 海沿いの街で、小学生の慎一と春也は、ヤドカリを神様にして、祈りを始める。その神様は、祈りを現実のものとしてくれるようになる。 少年たちと少女は、周囲の大人たちからも影響を受けて、少しずつ、少年少女の季節の終わり、を始めていく。 |
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月と蟹 何だか切ないです。上にも書きましたが、これ、本当に直木賞なの? という疑問。面白さの質が、直木賞とは違う感じがするのです。
友達との関係や、親や家族との関わり。人は生き、死に、誰かを憎み、誰かに心を寄せる。
生きていかなければならないし、そして生きていく。
少年や少女は、それぞれの摩擦を起こしながら、それを感じながらも、少しずつ、大人になっていく。大人になることで、何かが変わっていくのだろうか……。
不思議な、小説でした。