タイトルで読もう、と決めた。
「いまさら翼といわれても」。
何のことだろう、と思いますよね。読んで見たくなりますよね。
高校の古典部に所属するメンバーの軽い推理小説
舞台は、神山高校。
いくつかの事件が起きる。
事件と言っても殺人とかではなく、生徒会長選挙での票が水増しされていた、とか、中学時代の教師が「ヘリコプターが好きなんだ」と授業中に発言したことを思い出し、その真意に辿り着いたり、市の合唱祭でソロを歌う古典部のメンバーが会場になかなか現れず、その行方を捜したり。
ちょっとした、なんでもないようなことが、ちょっとした事件のようなものになり、多分、主人公なのであろう折木幸太郎が推理していく、という、推理モノなんだけど、学園モノ、青春モノでもある物語なのです。
ナイーブだからこそ、推理できる青春ならではのミステリー
その古典部に所属するメンバーが、青春の入り口にたつ者たちが抱える独特のナイーブで敏感で、考え過ぎてしまうゆえに鈍感装う、そんな心情があるからこそ、先程いくつか書いたような事件が起きてしまうのであり、また、その解決も、多くの登場人物が、純粋でナイーブだからこそ、解決できる。つまり純粋前提の推理小説なのです。
私は「いまさら翼といわれても」を読み始めてすぐに、この純粋だからこそ成立する推理小説に、「こういうのは、読んだことなかったなあ」と感じ、登場人物の気持ちや行動を、瑞々しく思いました。
オイラの青春時代は、高校時代は、もっとつまんなかったなあ。
そりゃ純粋じゃなかったからですよね、そりゃそうだ。
「いまさら翼といわれても」は、米澤穂信さんの「古典部シリーズ」のひとつ。
もっと読んでみる気になってしまいました。
純粋じゃなかた高校時代を思い出しながら。
ところで、いまさら翼といわれても、は、この短編集の最後に載っているのですが、うん、って、そりゃそうだよな、いまさら翼といわれても、と思ってしまいました。
これは、私の高校時代には隠れていた純粋さがこの歳になって現れてきたのか……。
そうだ、そうに違いない。
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