エッセイ

ありがとう、篠山紀信さん。日本の男たちをを狂わせたカメラマン

篠山紀信さんがお亡くなりになった。
私見だけど、30代以下の人はそうでもないかもしれないが
日本の男子は、篠山紀信の影響を大いに受けた。
もちろん私もその一人。

解禁

篠山紀信さんの撮った女性の写真に完膚なきまでにやられ続けていたのですよ。
もちろん
時代を変えた樋口可南子さんの『Water Fruit 不測の事態』は、日本のヌード写真の文化をあっさり解禁させてしまったし、宮沢りえさんの『Santa Fe』は社会現象にもなった。

まあ、あの解禁は、一体誰がどのような力が働いたのだろうか、とその辺りの裏話は知りたいし色々詮索したいけど、今日はその話ではない。

ヌードだろうがなかろうが。

篠山紀信さんが撮った女性は、色っぽかったとか、綺麗だったとか、興奮するとか、まあそりゃそうなんだけど、その次元を超えていた。
そんなことどうでも良かったわけじゃないけど、でも、ある意味どうでも良かった。

今だから、何となくわかる。

篠山紀信さんが撮った女性は、
とにかくドキドキした。うまく書けないなあ。う〜〜ん。

そうか、フェロモンだったのか

紀信さんの撮った女性の写真を見ると
その時、気になっていた女性のこと猛烈に気になって、付き合っていた女性がいた場合はもういてもたってもいられなくなって、それは愛おしくなり、他の男に取られることを心配し始めて、大変なことになるのだ。

弱い男の中に獣が宿り、弱さと勁さが同居して、どうしていいかわからなくなる。

考えてしまうのだよ、もし、僕の好きな女子が篠山紀信さんに写真を撮られたら、どんな感じになるんだろうか、と。
だめだ、そんな表情見せちゃ。やめろ、それは無防備すぎる……。

しかし、なぜ、紀信さんの写真は男子を狂わせてしまったのだろう?
あれはなんだったんだろう。

あ、きっとフェロモンだ。

あの女性たちは、見事にフェロモンを写真という媒体を通して、篠山紀信さんのカメラに射抜かれて、その穴からなんとも言えない芳しいフェロモンを、ドバドバと分泌していたのだ。

そりゃ、おかしくなるわ、日本中の男たちは。もちろん僕も含めて。

紀信さん、ありがとう。
本当にありがとう。

もう、僕もいい年だけど、まだまだフェロモンを撒き散らしながら生きていくぜ。

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