エッセイ

【これは、実話です】おじさん二人の最終決戦バトル 快活クラブの変

隣の部屋から加山雄三の「海、その愛」を歌うおじさんの声が聞こえてくる。
ビブラートがかなりかかっている。
それはビブラートなのか?それとも体調不良による声の震えなのか?
はっきりしてくれ。
体調不良なら、今すぐ、僕が助けないと……。

広島の実家で仕事をする難しさ

ここしばらく、広島の実家で過ごしている。
母が9月に亡くなって、その関係で色々広島でやらなければいけないことがあり、居座っている。
ぞれでも仕事ができるのは、ネットでリモートの打合せができるからだ。
MacBookと電源と、ネットの回線があればどこでも仕事ができる。
ノマド三種の神器だ。

けど、残念ながら実家にはネット回線がない。
母は、生前は前向きに生きていて、原爆の悲惨さを伝える仕事をしたり、また短歌を詠んでいた。ファンも多く単行本が三冊も出版されたくらいだ。
そんな母ではあったがインターネットに関してはiPhoneまでだった。本人の希望でiPadを買いキーボードも揃えたが、ネットを使って自由自在な仕事を行うところまでは行かなかった。
ということで、くり返すけど実家には、ネット回線がない。

僕はiPhoneのテザリングでネットに繋ぐが、しかしリモート会議をするには負荷が重すぎるらしく、やり取りがぶつ切りになってしまう。
ということで、数10分だけ広島電鉄という私鉄に乗って、隣町のネットカフェ=快活クラブまで出向くことになる。

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ちょっと関係ないのですが、そろそろ🦀の季節ですね😄

カラオケルームでリモート会議の変

快活クラブは漫画喫茶的なところから出発していると思うので、ネットで仕事をするための施設ではない。だからリモート会議をするときは、鍵付き個室かカラオケの部屋に入る必要がある。
先日も、あるクライアントのオリエンテーションを受けるのに、快活クラブのカラオケの部屋に入った。

まずいぞ、これは。聞こえてくるぞ、隣の部屋の歌声が。
私の推測だと、前期高齢者のおじさんが(かく言う私もその一人)一人で歌っている。
加山雄三だ。「海、その愛」「お嫁においで」。そして「君といつまでも」。
幸いリモート会議先のクライアントには、おじさんの歌声は聞こえないらしいが、私にはビンビン聞こえる。しかもビブラートがかなり波打っている。
いやビブラートなのか?それとも体調不良による声の震えなのか?
はっきりしてくれ。
体調不良なら、今すぐ、僕が助けないと……。

とおじさんのビブラートに心乱されながら。
それでも僕は集中して、リモート会議を続けていた。
しかし。

おじさんの攻撃開始

そのおじさんの選曲が、加山雄三から、妙な歌に変わった。
演歌なのか歌謡曲なのか?懐メロなのか(加山雄三も懐メロですけどね)。
ちょっと中国のメロディー感もあり、ここでは、中国演歌ととりあえず呼ばせていただこう。
そしてこの中国演歌、絶妙に耳に残り、妙なねばつき嫌悪感があるのだ。
いかにも前期高齢者のおじさんって感じ。(いや、私もそうなのですが)
さらにビブラートの波打は強力になってきた。スキーのモーグル並みのコブ。
その激しい波打に、船酔いに似た症状が現れてきた。
おじさんの
やばい。
とゲロッピーの危険を感じ始めたところで、こちらの会議が終わりになった。
僕は、ビブラート酔いにならぬように逃げるようにして、別の席に移った。

普通の席(喋ってはいけない席=リモート会議ができない席)に戻ってホッと一息。
実は3時間後にもリモート会議が入っていて、この段階で先ほどのカラオケルームの予約を完了。
ソフトクリームを食べながら(快活クラブはソフトクリーム食べ放題なんです)次のリモート会議の準備をして待った。

3時間後の最終決戦

おい、おじさんまだ歌ってるぞ。
しかも、あの中国演歌だぞ。
ビブラートはさらに強力になってるぞ。
あれから3時間経過しているのに。

一体このおじさんは何回この中国演歌を歌い続けているのだろうか?
まず、驚き。
次に、恐怖。
このおじさんはイカれてるぞ。

カラオケ大会のための練習か?
それにしてもてもてもこの3時間では上手くはなってないぞ。その分ビブラートの波はさらに大きくうねってるけど。

普通の人間であれば、いくらなんでも、こんなに同じ曲を歌い続けられるわけがない。
何かある。

先ほどの打ち合わせも、今回の打ち合わせも、競合プレゼンテーションのオリエンテーションだ。
これは、陰謀だ。
私のチームを勝たせないために、延々と中国演歌をビブラートを聴かせてこちらの頭をおかしくする作戦なのだ。

なるほど、そうか。
であればこちらも歌で対抗するしかない。
オリエンテーションを何とか終えた私は、
カラオケールームを退去することをせず、
私の相棒MacBookを横に置いて、正面のカラオケオーダーボードを見つめた。オーダーボードが戦闘機のコックピットに見えてきた。
私が選んだ曲は、石川さゆり「天城越え」。これ一曲に集中だ。
そして中国演歌のビブラートには、石川さゆり以上の小節で対抗するしかない。
私のあらん限りの力を振り絞って小節を聴かせまくって唸った。
3曲連続歌ったところで、隣の部屋のおじさんが、どうやら白旗をあげて、カラオケ部屋から退去して行った。

完全勝利。

しかし、また無駄な時間を使ってしまった。(十三代目石川五右衛門風に)

競合プレゼンテーションも、かくの如く、全力で臨めば勝てる。勝利あるのみ。

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