くだらない話

悪党をめぐるシンクロニシティ

学生の頃、だからもう40年くらい前になるのですが。
僕は、教育学部の社会科に在籍し、地理と歴史を勉強していたのです。もともと地理が好きで、勉強したかったのは地理だったのですが、それでも地理歴史専修、名目だったので、やっぱり歴史もやらなくちゃ、と思って岩波書店の赤いやつを手に取って「日本社会の歴史」(上)(中)(下)と購入したのです。

しかし、当時の私は、この3冊を読み始めるとどうしても眠くなるという罠に陥り、全くもって読む進めることができなかったのです。(上)の冒頭あたりの、地図を南北逆さまにして見ると、確かに日本はアジア大陸と陸続きで、日本海は確かに湖だったんだ、と新鮮な気づきを得たのは覚えているのですが。

悪党

時はたち。今から5年くらい前のこと。「日本社会の歴史」を3冊揃えてから35年が過ぎているわけですが。
ある時。一緒に仕事をしている映像作家の人から、「いやあ、田中さん(私の苗字です)、悪党って知ってますか?」と問いかけられた。
悪党には二つ意味があり、映像作家の人は、「悪いやつ」という意味で言っているわけではないのはすぐ分かった。
ウィキペディアから抜粋すると

「日本の歴史において、中世に既存支配体系へ対抗した者・階層を指す。この場合の悪とは、剽悍さや力強さを表す言葉。あるいは、「命令・規則に従わないもの」に対する価値評価を指す。なお、この場合「ごろつき」「ならず者」というニュアンスは伴わず、社会の上流階級であっても悪党に含まれ得る。」

このことは、私も知っていし、まさに私の目の前で話をしている映像作家も、この意味の悪党だった。
「田中さんは、中沢新一さんを知っていますよね。その人の義理の叔父にあたる人で網野善彦という歴史学者さんがいて、その人が悪党のことを書いていて、悪党の意味を知ったんですが、私も田中さんも悪党ですよね」と二人で笑い合った。

シンクロニシティ

中沢新一さんの本はよく読んでいた。私は小学生の頃から仏教に興味があり、また文化人類学的なことも好きで、どうしても中沢新一さんの著作や研究に行き当たる。
そうか、中沢新一さんの叔父さんが網野さんという人で、悪党の研究してたんだ……
あれっ?ちょっと待てよ。
網野善彦……記憶のどこかにあるような……。
そうなのです。学生時代に買った「日本社会の歴史」(上)(中)(下)の著者だったのです。
中沢新一さんとご親戚、そして悪党の研究、この二つの要素で一気に網野善彦さんへの興味が高まり、本棚を探しました。ありました。岩波新書「日本社会の歴史」(上)(中)(下)。
さて、改めて、読んでみるか。
「日本社会の歴史」(上)を上着の内ポケットに入れて読書を35年ぶりに再開。
すると不思議なことが起こるもので、地下鉄の中で、同じ年頃の男性が左手で吊革を持ちながら右手で「日本社会の歴史」を読んでいるのです。
シンクロニシティ。
悪党、中沢新一、網野善彦を巡るシンクロニシティが、「日本社会の歴史」を手に取って35年後に起こったわけです。
不思議だなーー。

えっ?それで「日本社会の歴史」はどうだったかって?

地図を上下逆様にして見るとよくわかるのですが、日本列島はかつてはアジア大陸とつながっていて、日本海は湖だったんですよ。以上。

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