ピザ

くだらない話

中学3年生の少年には、全てが刺激的すぎて、泣いた……衝撃の一皿シリーズ その2

【本日のテーマ】
男はバカで、女は怖い。

先日、小学校3年生の時に体験した衝撃の味について書きましたが(こちらの記事です。読んでね ^_^)、徒然なるままにさらに衝撃の味を思い出してみると、まだまだありました、衝撃の体験が。ちょっと書き連ねてみますね。

中学3年生の時の、デートで体験した衝撃の味

まずお断りしておきますが、エロくないです。はい。そしてデート、と書いていますが、グループ交際です、はい、清く正しいです。
中3のときだったと思います。数人のグループで映画を語る会的なものを作っていて、実際、2本ほど映画も作りました。
(8ミリカメラでの撮影でした。そのカメラを持っていた友達が当然主人公。彼は、当時大人気だった李小龍ブルースリーにイカれていたので、当然カンフー映画)
また当然ながら、純情(そう)で可愛らしかった、女の子が一人いて、僕らが作った日本の映画では必ず主演女優だったのですが、主演女優も含めて、数人の男女で、広島の映画館に繰り出しました。

中学3年生くらいの女子

主演女優(イメージです(^_^.))

タイトルは「エクソシスト」。今考えればどうリアクションしていいのかわからないチョイスですが、まあ、いいか。
映画を観終わり、怖かった、いや怖くなかった、とか言いながら、メシを食べることになり、入ったお店は、広島の本通り商店街という繁華街にあったニコラスという名前のピザ屋さん。
今の中学生は、ピザなんて3日に1回は食べてますよ、食べに行きますか、持ってきてもらいますか、みたいに、既にピザは生活の中の1つのピースになっていますが(というのはオーバーですね^_^;)、当時(40年以上前)は、恐らく広島にピザ屋さんはニコラスのみだったと思います。
そうなんです、私はその時までピザ童貞だったのです。

おい、このチーズ、腐ってないか?

テーブルに運ばれてきた数枚のピザを男女が入り乱れた数人で取り分けて食すのは、それはもうドキドキワクワクの体験でした。
が、それが数秒後には不安ご私の胸で渦巻くことになりました。
まん丸いピザを、主演女優がお裁縫をする時に布に跡をつけるための道具、そう、今の人は知らないかもしれないけど、太い万年筆のような棒の先に小さな歯車のようなものがついているやつ。それの大きい版(今思えば、ピザを切り分けるピザカッターであったわけだけども)で、厳かに切り分けるのであります。
そしてピザの一切れを取り上げる時、その事件は起こりました。
(チーズが糸を引いとる……)
当時私が経験したことがあるチーズは、雪印のプロセスチーズのみ。糸は引かないのです。少し柔らかいか、あるいは冷蔵庫の中で乾燥してややパサパサ。決して糸は引かないのです。
(大丈夫か?腐ってないか?)

アツアツのピザ

この糸引きに驚いた45年前。

今思えば、チーズが糸を引いた衝撃に、思ったことが口に出なかったんだけど、それが逆にラッキーだったんだけど、とにかく、こりゃ、ダメじゃ。エクソシスト状態じゃ、とあたふたしているオイラは完全に無視しながら、主演女優は「美味しそうじゃね」と可憐にも嬉しそうにも言うわけでです。
(そ、そうか?)
この主演女優は、当時、可憐にてお勉強もまあまあできて、みんなの人気者だったのですが、それを鼻にもかけず、まあ、ソコソコのお嬢さんだったわけで。
彼女が美味しそうじゃね、と言うなら、オイラもそう思っていいだろう、と言う判断をしたわけです。

さらに、主演女優は、オイラに過激な問いかけをしてきた

「タバスコかける?」と主演女優は私に聞いてきた。
当然だけど、私はタバスコの存在を知りません。
(タバコか?中学生だぞ? 当時、タカアンドトシがいたら、「不良か⁉︎」と突っ込みを入れてくるやつじゃん、と今なら思うのですが)
でも、仲間たちは、なんか赤い液体をピザにかけてます。特に主人公の友達は「おう、かけてくれー」とニヤニヤして調子に乗っています。
ならばオイラもと「ワシもいっぱいかけてくれー」と主演女優にリクエスト。
「そんなにかけて大丈夫?」と不安そうに、しかし美しい瞳の奥には好奇心の小さな保脳を燃やしながら尋ねてきます。
「全然大丈夫じゃ」
タバスコの正体と、女の正体と、果たしてどちらが激しいのか、そんなことは何も知らない中学3年生の私は、糸を引くチーズの上に、さらに赤い、過激な情熱を少し粘つく液体をたっぷりと、主演女優の手でかけてもらった。
その見るからに官能的なまん丸のピザから三角形の一枚を取り分け、糸を引くチーズと薄赤い液体を気にしながら、一口ほおばった。

ファーストインパクト、セカンドインパクト

美味かった。それは正に衝撃だった。
今まで経験したことのない味わい。これがイタリアか、イタリアの伊達男とソフィアローレンのような女優が毎日食べているものか、ヒデとロザンナの食卓も毎日ピザなのか……と、オイラの瞼の裏にロザンナの映像とアモーレー アッモレミーヨーという叫びが聞こえたか、聞こえなかったか、私の舌を、第2の衝撃が襲った。
はい、みなさんの想像通り。タバスコでーす。
痺れました、舌が、といいうより全身が。口、鼻の穴、耳の穴、毛穴、けつの穴……中学3年生男子の穴という穴が全開し、この衝撃を何とかしようともがき苦しんでいました。
その後どうなったか、あまり記憶がないのです。それほど……中学三年生のピザ童貞には、ショックな体験でした。少なくとも、エクソシストよりは。
これを私は、自分史の中で、ニコラスの惨劇、と呼んでいます。

初対面では、こいつがそんなやつだなんて、全然知らなかった。

主演女優の誘惑に乗って、タバスコたっぷりのピザを食した私でしたが、時間というのはありがたいもので、なんとか意識を取り戻した私は、「大丈夫?」と心配してくれている(この時はマジで心配していたと思うが、ダメな男だなあ、と思っていたとも思う)主演女優に笑顔を見せようと、「ああ、もう大丈夫」と言いながら、彼女の顔を見ながら返事しようと思ったのだけど、セカンドインパクトのせいか、目から涙が過剰に分泌されていたので、それを指で拭ったのであります。
来ましたよ、サードインパクト。その拭った目の痛いこと痛くないこと。
指にタバスコがほんの少し残っていたのですね。それから数十分は、再び翻筋斗打つことになるのです。
恐ろしや、主演女優の笑顔。

ニコラスの惨劇からの後日談 (本当はここからが怖いんです)

それから数年。
その映画のグループは、それぞれ違う高校へ進学しました。面白いように違う高校でした。
そのためか、いつしか会うこともなくなり、思春期の想い出として、それぞれが心の中に留めながらも、時と共に風化していっていました。
あれは私が40歳の頃でしょうか。中学を卒業してから25年。故郷の繁華街で偶然、その主演女優と会ったのです。
せっかくだからちょっとお茶でも、ということで、近くの紅茶専門店に入り、さらに美しさを増した、しかし二児の母であり地方の中小企業社長の夫人に収まった主演女優は「私はお紅茶、アールグレイをストレートで」とウエイターに言いながら、あの頃のことをオイラに話してくれたのです。

実は、主役の男と、当時付き合っていたこと。高校2年の頃まで付き合っていて、結婚も考えていたとのこと。
なんだって。どうなの?そういうもん?ま、オイラはその女の子のことは異性として好き、というわけではなかったんだけど、なんかそれを聞いて、やり切れない、というほどでもないけど、複雑でモヤモヤした気持ちになってしまった。

「結婚まで考えたのに、なんであいつと別れたん?」
オイラはやっぱり聞いてしまったよ、別れた理由を。知りたいじゃんね。
「高校の帰りに、井ノ口(電車の停留所の名前)のホームで待ち合わせをしたの。その時の彼のズボンのベルトが、白いエナメルの細ーーいヤツだったの。だから別れたの」

へっ?たったそれだけ?
でも、別れるには十分な理由。
全国の青少年よ、もし、この文章を読んだならば、彼女にとって、細い白いエナメルのベルトとは何だったのか。よく考えな。

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