この歳になると(もう、定年が近い)、例えば仕事で打合せをしている時に、雑談気味に何か話題を出しても、みんなにキョトンとされることが多い。
つい最近、こんなことがあった。
低音の魅力
今年入った新人営業のT君は、そのキャリアに似合わず声が低くて重みがある。声だけなら貫禄十分。
「T君は、低音の魅力だね」と私の発言。
自分でも「こりゃ若い奴は分かんないだろうな」のは思ったんだけど、思ったことはあまり躊躇せず口に出すのがこの年齢層の特徴らしい。私はさらに追い討ちをかける。
「低音の魅力と言えば、フランク永井だね」
案の定、周りの人たちは、T君を含めてキョトン。
唯一、50歳を超えた女性のマーケター(50歳を超えているとは思えない美しさらと瑞々しさの持ち主なのだが、彼女の話題はまた今度)が、「それはもう若い人には分からないですよ、私だってギリギリだもん」
有楽町で逢いましょう
まだ高度経済成長時代。エンターテイメントの中心はキャバレーとテレビにあった。
楽曲がヒットしてテレビ出演できたら、全国のキャバレーに出演し多額のギャラが入る。そんなビジネスモデルの中に花開いたムード歌謡というジャンルがあり(桑田佳祐は自分の楽曲にもパロディーっぽく取り入れたりしてる)フランク永井はそのジャンルのトップランナーだった。
「低音の魅力」。
落ちついた、しかし艶っぽい声で、フランク永井はブラウン管のこちら側の、かつてあったお茶の間の空間を魅了していたのです。
代表曲は「有楽町で逢いましょう」。1958年昭和33年の大ヒット曲。
かつて有楽町には、そごうデパートがあった。その、そごうデパートのコマーシャルソングだった。
当時のカップルの多くは、この歌のように、実際に有楽町で待ち合わせをしたらしい。
でも、そんなこと、一緒に打ち合わせている若い人達には、全くわからない。
有楽町に、そごうがあった時代すら知らないのですから。
「今はビックカメラになってるけどね」
と教えると、
「へー、全然知らなかった」という答えが返ってくるのです。
実は、フランク永井とフランキー堺は同一人物と思っていた
フランク永井のことを書いたら、もう1人、思い出した人がいる。
フランキー堺だ。
子供の頃、この2人はよくテレビに出演していた。
フランクとフランキー。語感が似てる。だから私は、まだ幼く。フランク永井とフランキー堺は、正真正銘、同一人物と思っていた。
大人になった今思うと、全然違う顔なのですが、何となく似ていたんですよ。雰囲気というか。
いや、フランク永井、フランキー堺。何となく韻を踏んでいるお二人の名前の影響が大きかったのかもしれませんが。
歌を歌うときは、フランク永井。
ドラマや司会をやるときは、フランキー堺。
同一人物が名前を切り換えて登場していた、と思っていたのです。
武藤敬司とグレートムタのように。
いや、分かんないか。
遊び人の金さんと東山金四郎のように。
これもわかんないか。
