私は、少なくとも高校を卒業する頃まで、銀行の頭取を「あたまどり」と思っていた。「とうどり」と「あたまどり」では、威厳から何から違いすぎる。
ある女性は「赤い靴」の歌詞の「異人さんに連れられていっちゃった」の「異人さん」を「ひい爺さん」と思い込んでいた。異人さんとひい爺さんでは、歌の雰囲気が大きく変わってくる。ひい爺さんに連れられて行っちゃった、って……。
有名なところでは、泉麻人さんの巨人の星のテーマソング。「思い込んだら」を「重いコンダラ」で間違いないと信じていて、グランドを平すローラを「コンダラ」と呼ぶのだと思っていたそうだ。そしてそれは、巨人の星を観ていた多くの人が、あの整地ローラーを「コンダラ」と間違えて呼んでいたそうだ。
(ウィキペディアにも解説があるぞ!)
こんな思い違いは、誰しも一つや二つは経験があるはずだ。
私はこのようなズレた思い違いを「重いコンダラ現象」と呼ぶことにした。
でも、だいたい、一つや二つ、多くても三つか四つくらいだろう、人生に於ける「重いコンダラ現象」は。
微妙にズレて「重いコンダラ現象」を連発する男
その男、仕事できる。
頭もいい。
Excelなどのデータを見ることき、天才になる、とも言われている。どうやら異常値を示すセルが光って見えるらしい。共感覚の持ち主かもしれない。
そんなできるおとこなのだが、微妙に覚えている単語がズレている。
その男を語る時、最もふさわしい言葉は
「微妙にズレる男」なのだ。
さて、その男の「重いコンダラ現象」を紹介しよう
ある時、彼が後輩を前にして、ちょっとした指導に入っていた。
「お前の長所を伸ばせばいいんだよ。お前の長所は何だ?それが自分がわかっていないとね。お前のパワーポイントはどこだ?」
いや、それ、ストロングポイントだと思うんだけど。
ある時、彼は、私と話をしていた。
私が、クライアントの某氏とあることを巡って激しい議論をした時のことが話題だった。
「一郎さん(私の名前)、それはもう、食うか食わねえか、ですね」
いや、それ、食うか食われるか、だと思うんだよね。
ある時、彼は、クライアントとの打ち上げの宴席にいた。
彼は、雑誌の校正のために席を少し外すことになった。
「申し訳ございませんが、ここで挫折させていただきます」
いや、それ、中座、だよね。
ある時、彼は、重要な打ち合わせを会社のメンバーとしていた。
「あのね、クライアントのAさんとBさんの考え方は、火に油だよ」
いや、それ、水と油、だと思うんだよね。
ただ、水と油の人が議論したら、もしかしたら火に油を注いだようになるかもしれないけど。
ある時、彼は、ネット系のスタッフとウエブの解析について打ち合わせをしていた。
「それは、アナルティクスにぶち込めば簡単なんじゃないの?」
いや、それはアナリティクス。みんなその単語を口にするときは、すごい注意して発言しているんだから😅 。
しかし、何だかズレている方が真実を突いているような気もするが……まあ、気のせいか。
とにかく天然なのだ。天然でズレている。
そしてこの天然こそが「重いコンダラ現象」の真髄なのだ。
こんなに「重いコンダラ現象」を連発する男は、もう、天然記念物男なのだ。
