くだらない話

バイトの女子が、あの昼、約30秒で学んだこと

品川駅の構内で。
とにかく腹が減ったので何か食おうと駅ナカを彷徨っていたのだけど、結構どこの店も混んでいてそれぞれの入り口にはそこそこの列ができている。
そんな中でも客の回転が早そうなカレー屋があったので、そこに並ぶことにした。
キャンプに行く風の制服を着た若い女性の店員(そのカレーショプは何でも、キャンプがコンセプトらしい。至る所にキャンプ用具が置いてある)がメニューを持って、列を作っている客たちにちオーダーを聞いて回っている。
私の一つ前で並んでいる客にオーダーが回ってきた。

その、真意は?

少しだけお腹が出始めている、しかしまだ30代の前半と思われるサラリーマン風の男性は、「豚肉とジャガイモの欧風チーズカレー。但しチーズを抜いて」とオーダーした。
店員が、オーダーを復唱しようと息を吸ったその瞬間、「そしてトッピングはチーズで」と彼はいった。

時を止める言葉

それは永遠にも感じたけど実際は5秒くらいだったのだろう(5秒も長いが)。沈黙が、雑然とした品川駅のカレーショプの入り口辺りを支配した。
その沈黙を破ったのは、健気に笑顔を作って再びその客に話し始めた店員だった。「豚肉とジャガイモの欧風チーズカレー、チーズ抜きですね?」
「はい、チーズトッピングで」。
再び沈黙。店員は、再び口を開くことなく、店の中に入っていった。

彼女が学んだことは、きっと、社会には、理不尽なことがある、ということだ。
実際、社会に出ると、もっと理不尽なことだらけだから。それがいいなんて、全く思わないけどね。
彼女の未来に幸あれ。
あのサラリーマンのことは、なんとも言えない。

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